2013年~2014年に見て、印象に残った「日本映画」

2013年~2014年に見た日本映画で、特に印象的に残っている作品です。前半は中国にいて、中国では鬼のように映画を見ていました(一日3本見る時もあったくらいです)。日本に帰ってきてから激減しています・・。ネタバレあり。

しあわせのかおり

石川県で小さな中華料理店を営む王(藤竜也)さん。彼の料理に感動した女性(中谷美紀)が、彼の引退をきっかけに弟子入りをして中華料理を学ぶという話です。

最初「中谷美紀」と中華料理の組み合わせに違和感がありましたが、見てるうちにだんだんそれらしく見えてきました。一見相容れなさそうな2人の交流を、丁寧に静かに描いた作品です。

また、この映画の中華料理はとても美味しそうに見えるので、映画を見た後中華を食べたくなります。また、藤竜也の流暢な中国語が素晴らしく、完全に王さんに見えました。

雪婦人絵図

愛人を作り放蕩三昧の夫に苦しめながらも、夫と別れられない雪夫人。他に好きな男性もいるのだが、なかなかうまくいかない。終盤、夫は愛人と部下に騙され財産を失い、雪夫人は最後芦ノ湖へ身を投げます。

ユメノ銀河

バスの女車掌、小嶺麗奈は、女車掌と関係を持った後に謀殺を繰り返しているという噂の運転手(浅野忠信)と出会います。彼女は彼を疑いつつも、だんだん彼を好きになっていきます。

映画では、結局彼は犯罪者なのか、それとも小嶺麗奈の妄想だったのか、はっきりとわからないまま終わります。

映像は全て白黒で、小嶺麗奈や大正時代のバス、トンネル、全てが美しいです。不思議な感じの作品。

少年

車の当たり屋をして暮らす家族の話です。最初は母親がしていましたが、そのうち子供がするようになります。

当たり屋の少年の苦悩と家族の惨めさがよく伝わってきて面白いです。また、母親役の「小山明子」が妙に色っぽく、インテリっぽさと奔放さが同居したような不思議な魅力がありました・・

山椒大夫

父親が流刑にあい、母親と子供がその後を追うが、途中で人買いにだまされます。結局母親と子供たちはばらばらになり、母親は売春をし、子供たちは荘園で強制労働をさせられます。

その後息子は荘園からの逃亡に成功し、出世して国の守になることができました。しかし、そのころには既に父親は死に、妹は兄の逃亡後すぐ自殺、母親は年老いて以前とは見る影もなくなっています

最後息子がようやく出世したのにもかかわらず、家族の誰も幸せではないという、なんともいえない悲惨な話です。名作と言われている作品なので、見て損はないかもしれません。

細雪

上流階級の4姉妹が、だんだと没落していき、ばらばらになっていくというストーリーです。 4女役の古手川祐子が、奔放な女性を演じていて、とても魅力的でした。最後は、小さいバーの男性と一緒になり、財産はいらない、と言います。

3女の吉永小百合は、お見合いを何度も繰り返すが、なかなか決めないという少し頑固で小悪魔的な女性を演じています。個人的に吉永小百合のこの役は新鮮でした。

乱れる

大学を卒業後、遊び歩いている主人公と、それを心配する義理の姉との恋愛の話です。

義理の姉は、夫を戦争で失ってから夫の跡を継いで1人で小売店を営んでいます。主人公は義理の姉を好きになり、ついに愛を告白します。

しかし、それ以来2人はぎくしゃくした関係が続き、最終的に義理の姉が家を出て行くことになります。

それでも、主人公は汽車で故郷へ帰る義理の姉についていきます。2人は途中の駅で下車し、温泉に泊まります。宿で義理の姉にせまった主人公は、それを拒否され、最後一人死んでしまいます。

主人公と義理の姉の、はっきりしない気持ちのぶつけあいやじらしあいにいらいらしながらも、それが一種の様式美のようになっていて、これはこれで味わい深いものがあると思いました。最後まで飽きずに見られる、傑作です。

また、最後まで義理の姉役の高峰秀子の顔がきれいなのかきれいじゃないかよくわからないのですが、最後主人公の死体を眺める高峰秀子の顔のアップがあり、この時だけは神々しいくらい、きれいに見えました。

日本の悲劇

貧しい中、女手ひとつで(水商売をしながら)子供たちを育てた女性。しかし、その息子はそんな母親を疎ましく思い、医者になるために籍を抜いて他人の養子になってしまいます。また、娘は不倫の末に失踪してしまいます。

終盤、母親は貧乏な流しのギター弾きに息子の面影を感じ、生活費の足しにとお金をあげます。しかし、その後彼はしらっと「それで酒飲んでしまった(笑)」ともらして、映画は終わります。とことん救いのない話です。『3丁目の夕日』などを見て、昔の日本は良かったという人は是非。

西鶴一代女

身分の高い家に嫁いだ女性が、身分の低い若い男と駆け落ちをします。しかし結局2人は見つかり、男は死刑、女は実家へと追放されます。(男は最後、「身分に関係なく、自由な恋愛ができる世界を」と叫ぶ・・)

そしてこの事件がきっかけで、女性は次から次へと不幸に見舞われ、一気にどん底へ落ちていきます。

主人公が若い女性から老婆まで1人で演じていてすごいです。主人公は売春をして生活をするようになりますが、だんだんと年をとっていくにつれて「いんばい」「ばいた」、最後は「化け猫」と呼ばれるようになります(最終的にはお客がいなくなる)。とにかく、とことん不幸になっていく様子は、一切の容赦なく描写されています。

黒い十人の女

10人の女性と関係を持つテレビプロデューサーの男性。この10人の女性と彼の妻が、彼を殺す計画を立てます。そして、結局彼と妻が共謀して殺されたふりをして、その難を逃れることになります。しかし、女性の中の1人がそれを苦に自殺したことで、2人の共謀がばれてしまいます。最後、彼を肉体的にではなく、社会的な死に追いやります。

とにかく映像がスタイリッシュでとてもかっこいいです。昔の日本映画にもこんなのがあったんだという新たな発見がありました。

横道世之介

長崎から東京の大学に通うため上京してきた男性が主人公。大学で出会った友人が妊娠して中退したり、お嬢様に好かれ、彼の実家まで押しかけられたり、友人がゲイだったり、憧れの年上の女性とはなかなかうまくいかなかったり・・という主人公の青春の物語です。しかし、彼は事故により35歳で死んでしまいます。

一番よかったのが、最後のシーンです。吉高由里子演じるお嬢様がフランスに留学することになります。別れ際、バスに乗りながら主人公に「大好き」と叫んで終わる。その後の2人は描かれていない。しかし、おそらくその後2人の恋人関係は解消され、没交渉となることが映画内で示唆される。そして主人公は死ぬ。したがって、2人のもっとも幸せだった時間の最後こそが、このシーンなのだと思います。

この最後のシーンは、まるで戦場のメリークリスマスのラストシーン「メリークリスマス、ミスターローレン」のような、深い余韻に浸ることができる名シーンだと思います。

祇園囃子

新人舞妓役の若尾文子は、童顔で気が強く、とにかくかわいいです。例えば、初めての東京ということではしゃいでいる若尾は、着物で銀座のバーに行くといって聞きません。「これはうちの制服」と言って、着物で出かけようとします。

見ていると、舞妓に萌えてしまう作品です。

ライク・サムワン・イン・ラブ

老いた大学教授と、デートクラブの女子大生との恋愛(のようなもの)です。また、その女子大生の「DV」彼氏も、2人の関係に絡んできます。

内容はこの3人のやりとりで終始し、「大きな」事件は起こりません。

静かなジャズの音楽もこの静かな映画によくマッチしていると思いました。高梨臨はきれいだし(特にタクシーで老人宅へ向かうシーンなど)、加瀬亮の強面ぶりもさすがという感じです(最近こういう強面路線が多いような)

監督は、イランを代表する映画監督アッバス・キアロスタミです。

SRサイタマノラッパー

この映画では、日本の埼玉で、女の子にもモテず、けんかも弱い、うだつのあがらない若者が、ラップをしています。最初から中盤まで、特にカッコ良いシーンはありません。役所に呼ばれて説教をされたり、不良に絡まれてぼこぼこにされ、最後は仲間とけんかをして別れてしまいます。

しかし最後、ラストのシーンが圧巻です。ラップを諦めた友人と、ラップを諦めきれない主人公がラップの応酬をします。このラップのシーンは数分にも渡りますが、その間は延々カメラが回され続け、場面が切り替わることはありません。

これのどこが素晴らしいのかというと、おそらくそこで初めて彼らのラップに「切実さ」と「独自のスタイル」が生まれるからだと思います。いままでどこか物真似でしかなかったラップが、初めて彼ら自身の言葉で切実に歌われるようになる。その瞬間が、このラストシーンには(偶然にも)映し出されているのだと思います。

おそらく監督は、その瞬間を捉えるために、長回しにしたのではないかと思います。そのような意味で、その瞬間は「奇跡」と言ってしまってもよいくらい、素晴らしいものだと思います。

近松物語

家の奥さんと奉公人との禁じられた純愛の話です。2人は家を飛び出し、追っ手から逃げ回るが、最後捕まってしまいます。最も印象的だったのが、最後、市中を引き回されはりつけへと向かう中で、女性はこれまでにないくらい晴々とした笑顔をしているところです。

その夜の侍

暗いところで待ち合わせ

目が見えない女性と、中国人のハーフの男の子との恋愛

悪夢のエレベーター

ハサミ男

途中でどんでん返しがあります。

包帯クラブ

トラウマのある場所に包帯を巻いて回る高校生たちの話。トラウマを抱えたままみんなと歩んでいく、その真摯で地道な姿に好感が持てました。石原さとみの豊かな表情と音楽、柳楽の演技が印象的・・

純喫茶磯辺

「だめ」なお父さんと、高校生の娘が喫茶店を開く。そこにアルバイトで来た26歳の女性。お父さんはその女性を好きになるが、その女性はいろいろと問題があり・・という話。

ジ、エクストリーム、スキヤキ

過去の記事

もらとりあむタマ子

過去の記事

愛の渦

乱交パーティーに参加した人たちの話

恋の渦

フリーター的な若者たちの恋愛模様?

スポンサーリンク
ウイジェット1
ウイジェット1

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存

フォローする

スポンサーリンク
ウイジェット1