ベーシックインカムは、全ての人に無条件でお金を定期的に給付するという考え方のようだ。
最近話題のようで、私もここ数年で初めて知った。
話題になっている背景には、最近の社会の変化が関係しているとよく言われる。たとえば、非正規雇用者が増えて雇用が不安定になったり、ロボットに仕事を奪われるなどだ。
しかしこの本を読むと、ベーシックインカムの考え方はけして新しいものではないことがわかる。トマスペインやキング牧師など、かなり昔から繰り返し主張されてきたもののようだ。少なくとも欧米ではかなりの議論の蓄積があるようだ。
また、「家事労働に賃金を」というフェミニズムの運動の一環でベーシックインカムが要求されていたことも初めて知った。黒人のシングルマザーがベーシックインカムを要求していたというのも興味深い。
そのため、逆になぜ日本ではこれまであまり知られていなかったのか、それが不思議に思えた。日本での受容のされ方は、欧米のそれとはまた違っているのかもしれない。
新書なので比較的読みやすく、しかし専門的な内容も含んでいるのでベーシックインカムの全体像を知る上でとても良い本だと思った。まさに入門にぴったりの内容だと思う。
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