映画『湯を沸かすほどの熱い愛』を見ました。
ストーリーは以下です。
1年前、あるじの一浩(オダギリジョー)が家を出て行って以来銭湯・幸の湯は閉まったままだったが、双葉(宮沢りえ)と安澄(杉咲花)母娘は二人で頑張ってきた。だがある日、いつも元気な双葉がパート先で急に倒れ、精密検査の結果末期ガンを告知される。気丈な彼女は残された時間を使い、生きているうちにやるべきことを着実にやり遂げようとする。
簡単に言うと、末期がんの母親が、残された時間でやり残したことをするという話です。
正直似たようなストーリーの映画はたくさんあると思うのですが、主役の宮沢りえさんの存在感や、「銭湯」が舞台というのがユニークだと思います。
だんだんと痩せ細っていく宮沢りえ・・・
特に、母親役の宮沢りえさんの演技がすごいです。
自分の身を犠牲にし、家族のために尽くす母親役を見事に演じています。特に、だんだんと体が弱っていく様子は見ていて辛くなります。実際、宮沢りえさんは映画が進むのつれてかなり痩せ細っていきます。撮影中に減量をしたのかもしれません。
とにかく、宮沢りえさんの演技が見どころの一つだと思いました。
宮沢りえ=神
この映画の宮沢りえさんは、見返りを全く求めません。たとえば、子供に自分を愛するよう求めることは一切ありません。ただ純粋に、相手のためになることをするのです。
しかも興味深い点は、家族以外の見知らぬ他人にも見返りを求めない点です(ヒッチハイクの松坂桃李の例など)。おそらく家族や国境をも越えた、いわば「ユニバーサル(普遍的)」の域に達しています。まるで、宮沢りえさんが宗教の神のようにさえ見えてきます。
ほかに、旦那役のオダギリジョーもいいです。勝手に家を出ていくような身勝手な男性ですが、どうも憎めないキャラクターです。
子供役の杉咲花と伊東蒼もかわいいです。
『湯を沸かすほどの熱い愛』のキャスト・スタッフ
- 幸野双葉(主人公・末期がんの母親) – 宮沢りえ(幼少期:住田萌乃)
- 幸野安澄(娘) – 杉咲花
- 幸野一浩(夫) – オダギリジョー
- 向井拓海(旅人の若者) – 松坂桃李
- 片瀬鮎子(子供) – 伊東蒼
監督は中野量太さんです。これが劇場用長編映画デビュー作です。
★★★