映画『セルラー』は、誘拐・監禁された女性が、「壊れた電話」を修理して脱出しようとする作品です。タイトルの『セルラー(携帯電話という意味)』通り、(携帯)電話が重要なカギを握る作品です。
映画『セルラー』のストーリー
ジェシカ・マーティン(キム・ベイシンガー)は高校の生物教師で、不動産業者の夫クレイグと息子のリッキーと暮らしていました。
ある日、ジェシカはリッキーをバス停まで送った後、5人組の男たちに誘拐されてしまいます。
屋根裏部屋に監禁されたジェシカは、古い電話機を発見します。この電話を使えば助けが求められます。しかし、男たちはその電話を破壊して使えなくしてしまいます。
その後、ジェシカはワイヤーをつなげて壊れた電話をなんとか修理し、適当な番号で外に電話をかけると偶然ライアン(クリス・エヴァンス)の携帯電話につながります。
ライアンは、元ガールフレンドのクロエを助けるため、募金活動の手伝いをしている途中でした。ライアンはいたずら電話だと思いましたが、ジェシカに説得されて警察署に行き、ボブ・ムーニー巡査に報告します。
しかし、ムーニー巡査は別の事件で忙しく、ライアンに別の刑事に報告するようにと伝えます。結局ライアンは誰も見つけることができず、携帯電話の電波状況が悪くて通話ができなくなってしまいます。
一方、誘拐犯のリーダーであるイーサン(ジェイソン・ステイサム)は、ジェシカにクレイグの居場所を尋ねますが、ジェシカは拒否します。そのため、イーサンはリッキーを誘拐するためにその場を離れます。その会話を聞いていたライアンは、誘拐事件が現実であることを悟り、リッキーの学校に向かい、そこでリッキーが誘拐されるのを目の当たりにする。彼は警備員の車に飛び乗って誘拐犯を追いかけますが、途中で見失ってしまいます。
その後、ムーニーはライアンの誘拐事件について調べようと思い、ジェシカの家を訪れます。彼はそこで誘拐犯の1人である女性のダナと出会います。ダナはジェシカのふりをしたことで、ムーニーは誘拐事件が誤報であると確信します。
リッキーを連れて戻ってきたイーサンは、ジェシカに夫のクレイグがいる場所を尋ねます。クレイグが見つかれば誘拐犯に家族を殺されると恐れたジェシカはイーサンに襲いかかりますが、制圧され、ロサンゼルス国際空港のバーであることを告白します。
一方、ムーニーは、ジェシカの家に電話をかけた際に、留守番電話の声が会った女性の声と違うことに気づき、疑念を抱きます。
誘拐犯はクレイグを銀行の貸金庫に連れて行き、バッグを取り出そうとしますが、ライアンが邪魔をし、バッグを横取りして持ち去ります。バッグの中身を見たライアンは、クレイグが撮影したビデオを発見します。そこには、誘拐犯たちが映っており、彼らが汚職警官であることがわかります・・・。
誘拐犯の1人が固定電話が使われているのを見て不審に思い、ジェシカが助けを求めようとしていたことを知り、彼女を殺そうとします。しかし、ジェシカは逆に彼を殺してリッキーとともに逃げようとしますが、イーサンの一味に捕まってしまいます。
その後、ライアンはイーサンに連絡を取り、桟橋でジェシカ一家と引き換えにビデオテープを渡すという取引をします。
しかし、ライアンはビデオテープを奪われ、イーサンはビデオテープを粉々に砕きます。ライアンはボートハウスに逃げ込み、イーサンたちが追いかけます。ライアンはイーサンがムーニーの後ろにいることに気づき、イーサンの携帯電話に電話をかけます。携帯の着信音でイーサンの位置がバレ、ムーニーはイーサンを撃ちます。
ジェシカは車の中で誘拐犯を手錠の鎖で絞めて気絶させ、夫と息子を解放します。回復した誘拐犯が2人を殺そうとしますが、ライアンが間に入って助けます。ライアンは録画したビデオを全て携帯電話にコピーしていたため、テープの中身は無事でした。
ジェシカは、命がけで家族を救ってくれたライアンにようやく会うことができ、ライアンはユーモアたっぷりに「二度と電話しないでくれ」と頼みます。
映画『セルラー』の見どころ
ジェシカにとって、壊れた電話でつながる男性だけが唯一の希望となります。
しかし、普通に考えて、見ず知らずの人から電話がいきなり来て、「監禁されているので助けてほしい」と言われても、なかなか信じられませんよね・・・。
この男性も最初のうちは半信半疑で、ジェシカを疑います。せっかくつながったのに、なかなか信じてもらえないというもどかしい気持ちになります。
また、電話が別の人につながってしまったり、電話が途中でまた壊れてしまったりします。
電話で助けを求めてもなかなかうまくいかないのです。これらの不安定要素がこの映画の見どころであり、スリリングにしています。
映画『セルラー』のキャスト
この誘拐・監禁される女性を演じているのは、キム・ベイシンガーです。『ナインハーフ』など数々の映画に出演しているベテラン女優です。
また、キム・ベイシンガーを誘拐・監禁するリーダーは、ジェイソン・ステイサムが演じています。
- ジェシカ・マーティン(誘拐・監禁される科学教師の女性)=キム・ベイシンガー
- ライアン(ジェシカと電話をする青年)=クリス・エヴァンス
- イーサン(ジェシカを監禁するリーダー)= ジェイソン・ステイサム
映画『セルラー』の原案・脚本・監督
原案はラリー・コーエン(Larry Cohen)です。ホラー・スリラー映画の脚本・監督として知られています。2019年3月に死去しています。
脚本はクリス・モーガン(Chris Morgan)です。『ワイルド・スピード』シリーズの3作目以降の脚本で知られています。
監督はデヴィッド・エリス(David Ellis)です。『ファイナルデスティネーション』シリーズの『デッドコースター』などの監督です。2013年に南アフリカで急死しています。
- 原案=ラリー・コーエン(Larry Cohen)
- 脚本=クリス・モーガン(Chris Morgan)
- 監督=デヴィッド・エリス(David Ellis)
「大作」という感じではありませんが、何か作業をしながらでも気軽に見れて楽しめる作品です。
映画『セルラー』が見られるVOD
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