ジジェクのウクライナについての文章

哲学者のジジェクが現在のウクライナ情勢について書いた文章(Was Russia’s ‘rape’ of Ukraine inevitable?)を紹介します。

●今月上旬の記者会見で、プーチンは、ウクライナ政府がミンスク合意を好んでいないことを指摘し、さらに「好むと好まざるとにかかわらず、合意を守るのはあなたの務めだ、お嬢さん」と付け加えた。

●このプーチンが引用した言い回しには性的な意味合いがあることはよく知られている。プーチンは、旧ソ連時代のパンクロックグループ、レッドモールドの「棺桶の眠れる美女」を引用しているように見える。それは、「棺桶の眠れる美女、私は忍び寄って彼女をファックした。好むと好まざるとにかかわらず、お嬢さん眠りなさい」というものだ。

●ロシア政府の報道担当者は、プーチンが古い民俗的な表現を使用したと主張したが、ウクライナを死姦とレイプの対象として引き合いに出しているのは明らかだ。

●2002年、プーチンは欧米のジャーナリストの質問に対してこう答えている。「あなたが完全なイスラム過激派になることを望み、割礼を受ける心構えができているなら、モスクワに招待しますよ。ロシアは多民族国家です。その種の問題(割礼)の専門家がいますので、永久に何も生えてこなくなるように手術をおすすめします」と、かなり下品な去勢の脅しをかけている。

●というわけで、プーチンとトランプが下品な言葉を使うという点で仲間同士なのもうなづける。よく聞く反論は、プーチンやトランプのような政治家はオープンに自分の言いたいことを何でも言い、偽善は言わないというものだ。しかし、私は心から偽善の側に立つ。(偽善の)形式は決して形式だけでなく、内容の一部でもあり、形式を失うと内容そのものが野蛮になる。

●プーチンの卑猥な発言は、公正な国へのレイプの脅威としてメディアで報道されている、ウクライナ危機を背景に読み取るべきである。

●今回の危機には滑稽な面があり、またそれこそが、今日の混乱した世界において、この危機が深刻であることを証明している。スロベニアの政治アナリストBoris Čibejは、2022年初頭のウクライナ周辺の緊張の滑稽な特徴を指摘した。「攻撃することが予想される人たち、すなわちロシアは、その意図はないと主張し、状況を沈静化しようとしている人たちは、戦いは避けられないと主張している」

●同じように、この数週間、ウクライナの保護者であるアメリカは、いつ戦争が勃発してもおかしくないと警告していた一方で、ロシアから攻撃される側になるだろうウクライナの大統領は、戦争ヒステリーを警告し、冷静さを求めていた。

●この状況は「レイプ」として解釈しやすい。ウクライナをレイプする気満々のロシアは、レイプはしたくないと言いながら、言外では、ウクライナからセックスの同意を得られないなら、レイプする用意があると明言している(プーチンの下品な返答を思い浮かべてほしい)。ロシアはまた、ウクライナがレイプをするよう挑発したと非難している。

●ウクライナをレイプから守りたいアメリカは、ソビエトの後の保護者として名乗り出るために、レイプの脅威が差し迫っていると警鐘を鳴らしているのである。このような保護的な態度は、地元のマフィアが縄張りにある店やレストランに用心棒の話を持ちかけるのを思い出させる。マフィアは、この提案を拒否したら何が起こるかわからないとほのめかして脅迫をするのだ。

●レイプの脅威にさらされているウクライナは、アメリカの警鐘にも神経を尖らせ、レイプの騒動がロシアを実際にレイプに走らせることを意識しながら、平静を保とうとしている。

●では、この予測不可能な危険性をはらんだ紛争の背景には何があるのだろうか。この対立が危険なのは、かつて世界の大国であった2つの国が力をつけてきたことを反映しているからではなく、逆に、この2つの国がもはや自分たちは本物の大国ではないという事実を受け入れることができないことを証明しているとしたらどうだろうか。

●冷戦の最中、毛沢東は「米国はそのすべての武器をもってしても張り子の虎だ」と言った。しかし、彼は「張り子の虎は自信に満ちた本物の虎よりも危険である」と付け加えるのを忘れていた。

●アメリカのアフガニスタンからの撤退騒動は、アメリカの覇権に打撃を与える一連の出来事の最新のものであり、ソビエト帝国を再建しようとするロシアの努力は、ロシアが今や衰退した弱小国家であるという事実をおおい隠そうとする必死の試みでしかないのだ。実際の強姦魔もそうであるように、レイプは、攻撃する人間の「無力さ(impotence)」を示すものである。

●この無力さは、レイプ行為がロシア軍のウクライナへの最初の直接的な侵入によって始まった今、明白である。ただし、シリア内戦やクリミア、中央アフリカ、ボスニアのスルプスカ共和国など、様々な紛争に参加してきた民間軍事会社である、ワグナー・グループの醜悪な役割を脇に置けばだが。

●この匿名の傭兵集団は、正規軍を派遣すれば批判を免れない紛争において、ロシア政府が利用する同国防省の準軍事組織で、ドンバスで何年も活動し、ウクライナへの「自発的」抵抗を組織してきた(彼らがクリミアですでにやったように)。

●ウクライナのレイプという悲しい事件を目撃せざるをえないすべての国の人たちは、本当の去勢だけがレイプを防ぐということに気づくべきだ。

●そのため、我々は国際社会に対して、ロシアに「去勢手術」を行うようすすめるべきだ。すなわち、可能な限りロシアを無視し、片隅に追いやり、その後、彼らの世界的権威から何も生まれないようにするのである。

最初の「“Like it or not, it’s your duty, my beauty.”」「The saying has well-known sexual connotations: Putin appeared to be quoting from “Sleeping Beauty in a Coffin” by the Soviet-era punk rock group Red Mold: “Sleeping beauty in a coffin, I crept up and fucked her. Like it, or dislike it, sleep my beauty.”」の部分の翻訳が難しいですね・・・。

特に、「Like it or not」「my beauty」がどう訳していいのか。

Red Moldというソビエト時代のパンクロックバンドについての情報もほとんどありません。

「impotence」についても、「無力さ」なのか、それとも「性的不能」の意味かが難しいです。

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