映画『ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火』は、過去の記憶を失ったソ連軍戦車兵と、正体不明のドイツ戦車(ホワイトタイガー)との対決を描いたソ連映画です。
ロシアの小説家イリヤ・ボヤショフの小説が原作で、第85回アカデミー賞の外国語映画賞にロシア代表作として出品されました。
映画『ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火』のあらすじ
1943年、戦車戦の後、あるソ連軍の戦車兵が戦車の中で生きて発見されます。彼は全身の9割に火傷を負っていましたが、奇跡的に回復します。
しかし、彼は過去の記憶を失っており、新たに「イワン・ネイデノフ(ロシア語の「見つけた」から)」という名前を与えられ、任務に復帰します。
また、ネイデノフは、戦車と人間のようにコミュニケーションができます。
そんな中、ナチスの新型無敵戦車がどこからともなく現れ、破壊の限りを尽くして森に消えていくという噂が流れます。
捕虜になったドイツ兵の証言によると、それは白一色に塗られたタイガーで、ソ連軍・ドイツ軍双方から「ホワイトタイガー」と呼ばれるようになります。
ネイダノフは、このホワイトタイガーに攻撃され、負傷したという過去の出来事を思い出します。
一方、ソ連軍は森でホワイトタイガーと戦い、大損害を受けます。ホワイトタイガーは、戦場に現れ、戦いが終わると消えていったと報告されます。
しかし、ネイデノフはタイガーがまだ森のどこかにいると確信します。
ソ連は戦車を改良します。装甲を強化してエンジンを強力にし、移動中でも正確に射撃できるようにした、3人乗りの戦車を試作します。
ネイデノフは、この戦車に乗ってホワイトタイガーの撃破を命じられます。彼は戦車を森に掘った穴に隠し、木の枝で覆い、もう1台の戦車を使ってホワイトタイガーをおびき寄せ、待ち伏せします。
現れたホワイトタイガーは、もう1台の戦車を破壊し、さらにネイデノフの戦車を背後から至近距離で攻撃しますが、戦車は軽い損傷にとどまります。そして、不可解にも森に退却します。ネイデノフの隊員たちは、なぜタイガーが自分たちを撃破できなかったのか、不思議に思います。
ネイデノフは、ホワイトタイガーには人が乗っておらず、「戦争の亡霊」であると確信します。捕虜となったドイツ軍将校もこのタイガーの正体がわからず、ドイツ軍にとっても恐怖であると話します。
進撃中のソ連戦車部隊はホワイトタイガーに全滅させられます。撤退した戦車を追って、ネイデノフは廃村に出くわします。納屋に隠れていたIV号戦車を発見し撃破、さらにホワイトタイガーと遭遇し交戦します。
ネイデノフの戦車は、タイガーを仕留めようとした時に砲身が爆発してしまいます。ホワイトタイガーは退却します。
ネイデノフの上司・フェドトフ少佐は、ホワイトタイガーと「生まれ変わった」ネイデノフの両方が、人間ではなく「戦争」そのものが作り出したものだと司令官を説得しようとします。しかし将軍は納得せず、彼を10日間の休暇に追いやる。
1945年5月、ベルリンの戦いとナチス・ドイツの無条件降伏の後、フェドトフ少佐は野原でネイデノフに会い、戦争は終わったのだから家に帰るようにと説得します。
しかし、ネイデノフは、「ホワイトタイガーが破壊されるまで、戦争は本当の意味で終わらない」と言い、説得に応じません。
フェドトフは自分の車に戻るが、振り向くとネイデノフは戦車とともに姿を消していました。
ラストシーンでは、ヒトラーが暖炉のある大きな部屋に座り、影のある見知らぬ人物に話しかけ、戦争中の自分の行動を弁明している姿が映し出されます。最後に、戦争には始まりも終わりもなく、人間の本来の姿であると言って終わります。
映画『ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火』の感想
正体不明のタイガー戦車と、記憶を失った不死身の戦車兵との闘いという設定が面白いですね。
また、戦闘シーンも迫力があります。タイガー戦車もそのままであり、
一方で、結局勝敗が決することなく終わるので、やや中途半端な感じもしました。最後のほうは哲学的な内容になっていくので、少し退屈に思いました。
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