映画『ルーム』は、密室に7年間監禁された女性とその子どもの話です。
かなり衝撃的な作品です。
『フリッツル事件』という実話を基にした作品です。
映画『ルーム』のあらすじ
オハイオ州アクロンに住む24歳のジョイ・ニューサムと5歳の息子ジャックは、「ルーム」と呼ばれる汚い小屋に住んでいます。
彼女は、「オールドニック」という男性に7年前に誘拐され、その後日常的にレイプされていました。ジャックの父親もこのニックです。
彼女は息子のために楽観的でいようとしますが、栄養失調と鬱病に悩まされます。
ジョイは、オールドニックがジャックを部屋から追い出してくれることを期待して、ジャックを絨毯に包んで死んだふりをさせます。
オールドニックはジャックをトラックの荷台に乗せ、住宅街を走っていきます。初めての外界に戸惑いながらも、ジャックはトラックから飛び降り、通行人の注目を浴びます。
ニックはジャックをトラックに引き戻そうとするが失敗し、ジャックを落として逃走します。そこへ警察がやってきてジャックを救出し、その後警察はジョイも発見します。オールド・ニックは逮捕されます。
家族と再会したジョイは、両親が離婚したこと、母にレオという新しいパートナーがいることを知ります。ジョイはジャックを連れて、母とレオが住む幼少期の家に戻ります。
父はジャックを孫として受け入れることができず、家を出て行ってしまいます。ジャックは広い世界での生活に慣れようと必死になり、母親にだけ話しかけ、「部屋」に戻りたいと言います。
ジョイは怒りと憂鬱に苛まれます。弁護士の勧めでテレビのインタビューに応じたジョイでしたが、生まれたばかりのジャックを病院に連れて行くことをオールドニックに頼まず、そのままにしておいたことをインタビュアーに問い詰められ、動揺してしまいます。浴室で意識を失った彼女をジャックが発見し、彼女は病院に収容されます。
ジャックは母を懐かしみながらも、新しい生活に馴染み始める。新しい家族との絆を深め、レオが飼っている犬のシーマスと出会い、同年代の男の子と友達になります。
自分の長い髪がジョイの回復に必要な力になると考えたジャックは、祖母に髪を切ってもらい、それを祖母に送ります。帰宅したジョイは謝罪し、再び命を救ってくれたジャックに感謝します。
この後、ジョイとジャックは人生を受け入れるようになり、様々な活動をして楽しむようになります。ジャックの希望で、二人は警察に付き添われて監禁されていた「部屋」を訪れます。部屋が小さくなったような気がし、まるで別の場所にいるような気がしてジャックは戸惑います。
ジャックとジョイは部屋に別れを告げて去ります。
映画『ルーム』のキャスト、監督
キャスト
- ジョイ・ニューサム /ブリー・ラーソン
- ジャック / ジェイコブ・トレンブレイ
- オールド・ニック / ショーン・ブリジャース
- ナンシー(母親) / ジョアン・アレン
- ロバート(父親) / ウィリアム・H・メイシー
- レオ(母親の新しいパートナー) /トム・マッカムス
監督
- レニー・エイブラハムソン
映画『ルーム』の感想
ジョイの子どもジャックの父親は監禁犯です。
これがジョイとジャックを苦しめます。ジョイは気にせずジャックを愛しますが、周りの見方は違います。
ジョイの父親は、ジャックの顔をまともに見ようとしません。娘を監禁した男の子どもだからでしょう。
また、テレビのインタビューでもジャックのことについて聞かれます。父親が監禁犯であることについてどう思うのかなどと聞かれるのです。
これに対して、ジョイは「ジャックを愛してくれる人が父親だ」と答えます。生物学上の父親が誰かどうかよりも、今ジャックを愛してくれる人のほうが大切だということでしょうか。
しかし、ジョイも自分の選択に迷いが生じ、心労から倒れてしまいます。
せっかく監禁部屋から脱出できたのに、その後の生活も辛いことが続きます。
映画は2人が社会生活に適応していく様子を丁寧に描いていきます。
なかなか重いテーマの話だと思いました。
映画『ルーム』は「Amazonプライム・ビデオ」で見られます。