賢明な人間ほど不幸で無力になる?

真木悠介『人間解放の理論のために』という本を読みました。

面白いことがたくさん書かれている本です。特に賢明な人ほど不幸で無力になるという話が面白かったです。

賢明な人間がしばしばその賢明さゆえに不幸であり無力であるということは、むかしからよく知られている、しかし同時に考えてみればまことに奇妙な真実である。「先のよく見える」人間が、まさしく先がよく見えてしまうがゆえに、有効な行動をとることができず、空疎なつまらぬ人生を生きてしまうということは、皮肉な矛盾といわねばならない。人はまさしくその行動の有効性を求め、あるいは意味深く充実した生を求めて、その知性ーとりわけ未来を見とおす知性を用いているはずなのであるから。

p45

彼にはじっさい、人生などまるでなかったみたいなものだ。刻々にインプットされる「情報」の無数に連立する方程式や不等式から、その都度「最適」の解を算出して行動する状況の自動機械が宇宙の悠久の「時間」のさなかに束の間存在しただけのことだ。

彼は客観状況のたんなる函数(機能)にすぎない。すでにある事物によってすでに書き込まれた限りの「未来」を、自らの行動によって実現する媒体であるにすぎない。

p46

賢明な人は、何か自分なりの価値観や主体性がない限り、その賢明さゆえに身動きが取れず、状況に従うだけの「つまらない人生」になってしまうということでしょうか・・。

ただし著者によると、だからといってただ何も考えずに行動だけすればいいというわけではなく、賢明さ、明晰さをさらに徹底させることが大切だそうです。この点が具体的にイメージしにくく、よくわからない部分でもありました。

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