映画『白ゆき姫殺人事件』を見ました。
殺人事件があり、犯人と疑われた女性についての情報がテレビで報道されたり、SNSで拡散します。しかし、実はその女性は犯人ではありません。
その後、女性の名前や住所までが流出してしまいます。しかも、本当の犯人もこれを利用し、その女性を犯人に仕立て上げようとします。
面白いのは、テレビやSNSで犯人とされ、行き場を失った女性を救ってくれたのは、アナログな光の点滅による通信でした。
女性は小学生のころ、友人と光の点滅で交信をしていたことがありました。逃げるようにして実家に戻った女性は、またその友人(引きこもり)と光の点滅で交信をします。その交信は、ただ「ここにいる」という、お互いの存在を伝え合うだけなのですが、それによってその女性は救われるのです。
これは、SNSでの大量の情報のやりとりよりも、アナログな光の点滅による限定されたやりとりのほうが正確な情報を伝え、コミュニケーションとして機能しているということを示しています。
確か岡崎京子の漫画で、「私たちはコミュニケーションをしないためにコミュニケーションをしている」みたいなセリフがありましたが、SNSで大量の情報のやりとりができるようになった今、いろいろと考えさせられる映画でした。