どんどん不幸になっていく家族・・。映画『淵に立つ』感想

淵に立つ』という映画を見ました。

アマゾンプライムビデオで何気なく見たのですが、かなり面白くてびっくりしました。

『ほとりの朔子』などの深田晃司監督と、『私の男』などの浅野忠信がタッグを組んだ衝撃のヒューマンドラマ。ごく平凡な夫婦の前に突然ある男が現れたことにより、平穏だった日常に不協和音が響き始める様子を描き出す。

淵に立つ

平凡な家族が1人の男性(浅野忠信)によって壊されていくという話です。

主人公の男性は友人(浅野忠信)を住み込みの従業員として雇います。

浅野忠信は殺人の罪で刑務所に入っていましたが、出所してきたのです。

当初、浅野忠信は真面目に働き、家族とも仲が良くなります。罪を悔い改め、心から改心したように見えます。

しかし、これは間違いで、浅野忠信は徐々にその様子が変化していきます。善人が悪人に変わるという感じでしょうか。この変化の様子が不気味で怖いです・・・。

映画では、浅野忠信が着るシャツが「白」から「赤」に変わることでも間接的に表現されています。

浅野忠信は主人公の男性の妻を誘惑し、不倫関係になります。さらに、家族の小さな娘まで傷つけてしまいます。娘はその怪我のせいで植物状態のようになってしまいます。

その後浅野忠信は失踪します。平凡だった家族は浅野忠信により、深い消えることのない傷を負ってしまうのです。

この家族の傷は浅野忠信がいなくなった後も残り続け、消えないどころかむしろ悪化していきます。不幸が連続していくのです。

この不幸が連続し、けして救われない感じは『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のようにも思えました。

「浅野忠信=悪ではない・・・?」

この映画の面白い点は、浅野忠信を明確な悪としては描いていない点だと思います。

確かに浅野忠信は家族を壊した張本人ですが、実は主人公の男性も犯罪に関係しており、浅野忠信が1人で罪を被ったという事実があります。そのため、主人公の男性にも少なからず責任があるように見えます。

また、男性の妻も浅野忠信に誘惑され、それを拒否せず受け入れてしまったという事実があります。

そのため、男性とその妻にとって、浅野忠信を非難することは、同時に(彼を受け入れてしまった)自身を非難することにもつながるように思えました。そして、そのことが余計に2人の心に深い傷を負わせることになってしまったのかもしれません。

★★★★★

スポンサーリンク
ウイジェット1
ウイジェット1

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存

フォローする

スポンサーリンク
ウイジェット1