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特に30代以上向け?パラパラを踊るガングロギャルの青春を描いた映画、『黒い暴動』感想

いわゆる高校生の青春映画は数多くあります。ブラスバンドやロックバンド、サッカーや野球などに青春を費やす映画です。この映画も基本的に同じジャンルに入ると思います。しかし、その青春を費やす対象が少し変わっています。それは、ガングロファッションで踊る「パラパラ」だからです。

地方の町で退屈した毎日を送る普通の女子高生が、先輩のガングロギャルに影響されてガングロファッションでパラパラを踊り始めます。おそらく、「ガングロ」が学校の教師や世間から奇異な目で見られていたため、退屈な毎日を送っていた主人公にとっては退屈な日常を破壊してくれるような、魅力的なものに見えたのかもしれません。

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「ガングロギャルのその後」

また、この映画の少し変わった点は、「青春時代」と「その後(14年後)」という2つの時代が交互に進んでいくところです。青春時代だけでなく、ガングロギャルのその後も描いている点が面白いと思います。

青春時代にガングロでパラパラを踊った主人公は、その14年後、あまりぱっとしない生活を東京で送っています。スタイリストのアシスタントをしていますが、つまらない仕事ばかりでやる気がありません。最後はクビになってしまい、田舎に帰ります。

また、その友だちたちも、夫との仲が悪かったり、風俗の仕事を続けていたりと、あまり幸せとは言えないような生活を送っています。

今井華演じるガングロギャルの先輩が、「明日世界が終わっても後悔しないように今を生きる」と宣言するように、ガングロギャルの特徴は「刹那的な生き方」にあったように思われます。ガングロギャルにとって、あるのは「今」だけで、未来はないのです。

その点で、この映画は(今を生きる)ガングロギャルにとって本来は存在しないはずのその後の未来を描いており、少し反則的な感じもしますが面白いと思いました。特に、青春時代にガングロが流行った30代の人にとっては懐かしく感じられるし、共感できることも多いのかもしれません。

厳密に言うと、おそらく「青春映画」というよりは、「青春(を振り返る)大人の映画」というほうが近いように思いました。回想的な青春映画なんだと思います。

「登場人物3人がかわいい」

主人公の馬場ふみかさんをはじめ、柳英里紗さん、平松可奈子という中心となる3人がいずれもかわいいです。3人ともガングロファッションになるので、それも見ていて面白いです。

「よくわからなかった点」

主人公がパラパラをしようとする動機が少しわからなかったです。そのため、パラパラに向ける情熱があまり伝わらず、パラパラの試合の場面もあまり感動できませんでした。たとえば、『サイタマノラッパー』のラップのシーンなどのような、思わずハッとするようなシーンが見てみたかったような気もします。

★★★

今だと「アマゾンプライムビデオ」で見れます。

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