映画『バーバー』は、地味な理髪師が、ちょっとしたきっかけで大きく道を踏み外していくという話です。
監督はコーエン兄弟です。
映画『バーバー』のあらすじ
1949年、カリフォルニア州サンタローザの町で、エド・クレインは地味な理髪師をしています。
簿記の仕事をしているドリスと結婚し、義兄のフランクが経営する理髪店で働いています。
ある時、クレイトンという客が来て、自分はドライクリーニングという新技術に1万ドルを出資してくれる投資家を探している、と言います。
エドは、ドリスと上司のデイブが不倫をしているのではと疑っており、匿名でデイブを脅迫して金を奪おうとします。
脅迫されたデイブは、店のお金を横領して脅迫料を払ってしまいます。しかし、デイブはすぐにこの計画を理解し、店でエドと対峙したデイブは、彼を殺そうとします。しかし、逆にエドがデイブをシガーナイフで刺してしまいます。
店の帳簿に不正が見つかり、警察はドリスが金を横領し、デイブを殺害したと見なしてドリスを逮捕します。エドは、弁護士のリーデンシュナイダーを雇うように説得されます。
リーデンシュナイダーは、フランクが理髪店を抵当に入れて手に入れたドリスの弁護資金で、贅沢な暮らしをします。しかし、その甲斐もなく、裁判の朝、ドリスは独房で首吊り自殺をしてしまいます。
後に、首を吊った時には妊娠していたが、エドとは何年もセックスしていなかったことが明らかになります。リーデンシュナイダーは町を去り、借金まみれのフランクは大酒を飲み始めます。
エドは友人の10代の娘であるレイチェルのもとを定期的に訪れ、彼女のピアノ演奏を聴いていました。孤独に苛まれるエドは、彼女が音楽活動を始めるのを手伝い、彼女のマネージャーになることを想像していました。
しかし、音楽の先生に「レイチェルには才能がない」と言われ、その思いは打ち砕かれる。その先生を訪ねた帰り道、レイチェルがエドに言い寄ったため、エドは車のコントロールを失い、事故を起こしてしまう。
病院のベッドで目を覚ましたエドは、殺人容疑で逮捕されます。殴られたクレイトンの遺体が、エドの投資契約書と一緒に発見されたのです。警察は、エドがドリスに強要して投資金を横領させ、それを知ったクレイトンを殺したのではないかと推測します。
エドは家を抵当に入れ、弁護のためにリーデンシュナイダーを雇います。リーデンシュナイダーの冒頭陳述中にフランクがエドを攻撃し、審理の無効が宣言されます。弁護活動の手段を失ったエドは、裁判所の慈悲に身を委ねます。
しかし、その作戦は失敗に終わり、判事は彼に死刑を宣告します。死刑を待つ間、エドは自分の物語を書いて雑誌に売り込もうとします。
死刑執行の直前、エドは拘置所の外でUFOを目撃します。電気椅子に座ったエドは、自分の運命を振り返り、自分の決断を何一つ後悔せず、死後の世界でドリスに会いたいと願います。
映画『バーバー』のキャスト
- エド・クレイン(理髪師) /ビリー・ボブ・ソーントン
- ドリス・クレイン(エドの妻) /フランシス・マクドーマンド
- フランク・ラッフォ(エドの義理の兄) /マイケル・バダルコ
- デイヴィッド・アレン・ブリュースター(ビッグ・デイヴ)(ドリスが勤めるデパートの上司)/ ジェームズ・ガンドルフィーニ
- クレイトン・トリヴァー(詐欺師) / ジョン・ポリト
- フレディ・リーデンシュナイダー(弁護士) /トニー・シャルーブ
映画『バーバー』の感想
主人公は常に焦点が定まらず、存在を感じられない、まさに「そこにいなかった」ような男性です。
そんな主人公は日常から逸脱することで自分の存在を証明したかったのかもしれません。それがどんなに悲惨な結末になったとしても。
映画『バーバー』は、現時点(4月20日)では「U-NEXT」で見放題の対象になっています。
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