『四月の永い夢』は、恋人を亡くし、腑抜けのような状態になっている元教師の女性が主人公の物語です。
喪失感からの解放がテーマだと思いますが、特に大きな事件が起きることもなく、淡々とした日常を映像で見せていく作品です。
モスクワ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞しています。
映画『四月の永い夢』あらすじ
27歳の滝本初海(朝倉あき)は、3年前に恋人を亡くします。その後は教師を辞め、そば屋でアルバイトをしながらその日暮らしの生活をしています。
しかし、ある時亡くなった彼からの手紙を発見したことで、過去を振り返り始めます。
その後、初海はアルバイト先のそば屋が閉店し仕事を失ったことや、ジャズシンガーをしている元教え子、そば屋の常連客の男性との出会いで、徐々に生活が変化していきます。
さらに知人の紹介で学校の音楽教師の面接を受けますが、すぐに決断ができません。初海は過去と向きあうため、亡くなった恋人の実家を訪れます。
映画『四月の永い夢』感想
最初にも書きましたが、特に何も起こらない作品です。
その理由の一つは、主人公の待ちの姿勢です。主人公は喪失感から解放されるのを静かに待っており、自分からあまり積極的に何かをしようとはしません。
他人と交流もしますが、どこか一線を引いていて、誰とも深くかかわろうとしません。それで大きな事件がそもそも起こらないのです。
しかし、特に何も起こらないのに飽きずに最後まで見れてしまうのが不思議です。
音楽も良く、物語の伏線になっています。
映画『四月の永い夢』キャスト
- 滝本初海(主人公の元音楽教師)/ 朝倉あき
- 志熊藤太郎(染物工場に勤めるそば屋の常連客) / 三浦貴大
- 村松楓(初海の教え子でジャズシンガー)/ 川崎ゆり子
- 風間沓子(恋人の母親)/ 高橋惠子
- 風間幸男(恋人の父親)/ 志賀廣太郎
- 戸田忍(そば屋の娘)/ 高橋由美子
映画『四月の永い夢』の監督
監督は、脚本家、詩人、エッセイストとしても活動している中川龍太郎さんです。
まだ若い監督ですが、多くの賞を受賞しています。
中川龍太郎さんが監督したほかの作品は、『愛の小さな歴史』『走れ、絶望に追いつかれない速さで』『わたしは光をにぎっている』『静かな雨』です。
映画『四月の永い夢』はAmazonプライム・ビデオで見られます。