映画『エベレスト』を見ました。
エベレスト登山ツアーの参加者たちが不運な事故に遭うという話です。
1996年に起きたエベレストでの大量遭難事故を基にしています。
事故の内容は以下が詳しいです。
実際の事故を基にしているため、事故の様子はとてもリアルで恐ろしかったです。
事故に遭った人の中には日本人登山家の難波康子さんも含まれています(日本人女性で2番目にエベレストに登頂したそうです)。
以下、ネタバレありでストーリー、見どころを紹介します。
映画『エベレスト』の配信
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映画『エベレスト』のあらすじ
1996年5月、エベレストのベースキャンプでは、いくつかの商業的な遠征隊が山頂への登頂を準備していました。エベレストの商業登山を普及させたロブ・ホールは、アドベンチャー・コンサルタント社を率いており、スコット・フィッシャーはそのライバルであるマウンテン・マッドネス社のチーフガイドを務めています。
ロブの客には、経験豊富な登山家のベック・ウェザーズ、夢を追う元郵便配達員のダグ・ハンセン、セブンサミッツ最後の登頂を目指すベテラン登山家の難波康子、アウトサイド誌のジャーナリスト、ジョン・クラカウアーなどがいます。
ロブのベースキャンプを管理するのはヘレン・ウィルトンです。また、ロブは1カ月前、ニュージーランドで妊娠中の妻ジャンに別れを告げ、出産には必ず帰ってくると約束していました。ベースキャンプに到着したロブは、彼女からファックスを受け取り、生まれてくる赤ちゃんが女の子であることを知らされます。
登山者の過密状態を心配したロブは、スコットを説得して遅れを減らすために協力してもらう。登頂当日、ロブのグループは夜明け前に第4キャンプを出発し、日没までに確実に帰還できるよう、遅くとも午後2時までには登頂を終えて下山する予定だった。
しかし、上流部にガイドロープが設置されていないことが発覚し、1時間以上遅れます。ベックは視力を失い、立ち止まります。ロブは、30分経っても症状が改善されなければベースキャンプに戻るようにベックに言います。スコットは、他の登山者を助けるために急いでキャンプに降りてきたが、再登頂を計画しており、ロブから過労を注意されます。
ロブは予定通り登頂し、康子を含む他の登山者と合流して日の丸を掲げて喜びます。下山したロブは、ヒラリー・ステップのすぐ上でまだ登ろうとしているダグに出会い、下山を命じます。ダグは「もう二度とチャンスはない」と言って、登り続けようとします。ロブはしぶしぶ承諾し、安全な帰還時間を大幅に過ぎた2時間後に山頂に到着します。
しかし、ダグは高山病に苦しみ、スコットも高地肺水腫を患います。ロブはダグの下山を手伝いますが、吹雪が襲う中、ダグの酸素タンクが空になり、彼は低酸素症になります。ロブに頼まれた予備の酸素タンクはルート上に保管されておらず、彼はヘレンに無線で酸素の追加を要請します。ダグはガイドロープを外し、狭い道をふらふらと歩きながら、静かに転落死してしまいます。
一方で、スコットの容態が悪化します。彼は自分を置いて下山するように仲間たちに伝え、横たわったまま息絶えます。下山した登山者たちは、視力の衰えたベックにたどり着くが、吹雪で登山道が消えてしまい、全員が迷子になってしまいます。
ベックと康子を残し、3人の登山者が助けを求めに行く。ガイドのアンディは、予備の酸素を持ってロブのもとにたどり着きますが、ボンベの開口部が凍りついて開きません。二人は嵐の中で身を寄せ合います。ロブが眠っている間に、アンディは幻覚を見始め、服を脱ぎ捨てて滑り落ちるように死んでいきます。
朝、ロブはヘレンにダグとアンディがいなくなったこと、自分の手足が凍っていることを無線で伝えます。ヘレンは自分の声にロブが反応してくれることを期待してヤンに電話します。ヤンはロブに、動き出さなければならないと伝えます。ロブは寒さに耐えながらも快適に過ごせることを伝え、自分たちの赤ちゃんにサラと名付けてほしいと頼むが、彼はまもなく死んでしまいます。
帰還した登山者たちは、ベックと康子が足止めされていることをキャンプに伝えます。しかし、天候が悪く救助は不可能です。ヘレンはベックの妻・ピーチに電話して状況を伝える。朝、奇跡的に目を覚ましたベックは、康子が死んでいるのを見ます。彼は重度の凍傷になりながら、一人でキャンプに降りてきます。
ピーチはアメリカ大使館に連絡し、ヘリコプターによる救助を手配します。ネパール陸軍のパイロットが高所作業を行い、ベックを病院に搬送します。一方、スコットのガイドのひとりであるアナトリは、ベックの遺体を発見し、トレイルから移動させる。
帰宅したヘレンは、ヤンと感動的な再会を果たし、無事に出産して娘をサラと名付けます。一方、ベックはぐるぐる巻きの包帯の姿で家族のもとに戻ります。クロージングタイトルでは、ベックが凍傷で両手と鼻を失ったこと、そしてロブの遺体がエベレストに残っていることが明かされます。
映画『エベレスト』のキャスト
- ロブ・ホール(登山ガイド会社の設立者で隊長) / ジェイソン・クラーク
- ベック・ウェザーズ(登山隊の客。アメリカ人。病理学医。) / ジョシュ・ブローリン
- ダグ・ハンセン(登山隊の客。三つの仕事を掛け持ちして登山費用を作る) / ジョン・ホークス
- ジョン・クラカワー(アウトドア雑誌のジャーナリスト。登山隊に取材で同行) / マイケル・ケリー
- ヘレン・ウィルトン(ベースキャンプからロブ達に指示を送る) / エミリー・ワトソン
- アンディ・“ハロルド”・ハリス(登山隊の登山ガイド)/マーティン・ヘンダーソン
- 難波康子(登山隊の客) / 森尚子
- スコット・フィッシャー(ロブのライバルの会社の登山隊隊長) / ジェイク・ジレンホール
映画『エベレスト』の感想
「下山で事故に遭う」
登山ツアーの参加者数人は、エベレストの登頂に成功します。
しかし、下山のときに事故に遭います。
これは、ツアー客の1人が(遅れても)どうしても登頂がしたいと言いだし、それで下山する時刻が遅れてしまったためです。
おそらく、登頂を諦めて下山すれば事故は起きなかったのかもしれません。
下山予定時刻を過ぎると、エベレスト山頂付近は急に天候ががらりと変わり、猛吹雪になります。ツアー客とインストラクターは寒さで体力を奪われ、次から次へと倒れていきます。
「登山ツアーというビジネスが悲劇の原因?」
エベレスト登山ツアーという「ビジネス」も事故の原因として考えられます。
ツアーは料金が非常に高額(数百万)です。そのため、客はその元を取りたいと思い、無理をしてでも登頂しようとします。中には、エベレストの登頂を人生の目標にしている人もいて、肉体労働で必死にお金を貯めて来ている客もいました。
そして、ツアーの運営者はそのような顧客の要望に応えざるを得ません。
この人命よりもビジネスが優先される構図が事故の原因に見えました。
「見どころ」
見どころはやはり遭難するシーンだと思います。
最初から中盤までは、まるでピクニックに行くような和やかな雰囲気です。
しかし、後半は猛吹雪になり、人が倒れ、凍りついていきます。
この前半と後半のシーンのギャップが大きくて恐ろしかったです。そして、おそらくこれが「山」の魅力と恐ろしさなのでしょう・・・。
私は高所恐怖症なので、そもそもなぜ大金を払ってまで苦しく危険な登山をしたいのか、それがほとんどわかりませんでした・・・。
しかし、登山好きじゃなくても事故に遭うシーンなどは迫力があり、見て損はない映画だと思いました。
「撮影は命がけ」
撮影はCGやセットを極力使わなかったそうです。
多くの場面は標高4876mの山中で行われ、実際にエベレストでの撮影も行われました。
そのため、大雪で雪崩が起きたり、寒さでカメラが壊れたり、キャストは高山で命の危険を感じたそうです。
★★★★