映画「プロミシングヤングウーマン」は、ある事件で医大を中退し、現在はカフェでアルバイトをする女性が、復讐をする話です。
男女差別の話がメインですが、もっと大きなくくりで、加害者は忘れても、被害者はけして忘れないという、被害者の物語としても見られます。
本作品はアカデミー脚本賞を受賞しています。
プロミシングヤングウーマンの配信
プロミシングヤングウーマンはAmazonプライムビデオのレンタルで視聴できます(2022年4月現在)。
プロミシングヤングウーマンのあらすじ
医学部を中退した30歳のキャシー・トーマスは、オハイオ州の実家で両親と同居し、コーヒーショップで働いています。
一応アルバイトはしていますが、実家ニート的な感じですね・・・。
7年前、彼女の親友で同級生のニーナ・フィッシャーが、同級生のアル・モンローからレイプされました。大学はこの件を調査せず、モンローは法の裁きも受けませんでした。ニーナはこれがきっかけで自殺、キャシーは大学を中退します。
現在、キャシーは夜な夜なクラブやバーで酔ったふりをし、声をかけてきた男の自宅に連れて行かれ、男が手を出してきたタイミングで、シラフであることを明かすという生活をしています。
そんな中、同級生で小児科医になったライアンとデートしたキャシーは、レイプをしたアルが結婚することを知ります。彼女は、アルとその関係者たちに復讐する計画を立て始めます。
まず、キャシーは同級生のマディソン・マクフィーに会います。マディソンはニーナがレイプされたことを否定し続けます。キャシーはマディソンを酔わせ、男を雇ってホテルの部屋に連れて行きます。
キャシーは次に、ニーナの訴えを「証拠不十分」で却下した学長エリザベス・ウォーカーをターゲットにします。キャシーはウォーカーに会い、ニーナの事件について問いただします。
キャシーはライアンとのデートをキャンセルし、再び男を誘い、家まで送ってもらいます。しかし、バーを出たところでライアンに出くわし、真相を知らないライアンは傷つきます。
キャシーは、ニーナに嫌がらせをして告訴を取り下げさせたアルの弁護士、ジョーダン・グリーンを訪ねます。神経衰弱で弁護士を休職中のグリーンは反省し、キャシーは彼を許します。
ニーナの母を訪ねたキャシーは、ニーナの母から前に進むよう促され、復讐を断念します。ライアンにも謝罪し、2人は恋人になります。
ここで終わればハッピーエンド?だったんですが・・・。
マディソンは、ニーナのレイプ動画の入った携帯を彼女に渡します。それを見たキャシーは、ライアンがその場にいたことを知ります。再び復讐を決意した彼女は、ライアンに対しアルのパーティーの会場を教えなければ動画を公開すると脅します。
キャシーはストリッパーを装ってアルのパーティ会場に行きます。彼女はアルに手錠をかけ、自分の正体を明かします。アルの腹部に「Nina」と彫ろうとしたとき、彼は手錠をほどき、枕でキャシーを窒息死させます。
キャシーの両親は行方不明届けを出し、警察が捜査を始めます。ライアンは、キャシーは精神的に参っていたと話し、パーティーに行ったことは言いません。
アルの結婚式で、ライアンはキャシーから何度も予定メールを受け取ります。弁護士のグリーンはキャシーから、ニーナのレイプ動画が入った携帯と、パーティーから戻らなかった場合は警察に通報するようにというメッセージを受け取ります。
警察はキャシーの遺体とネックレスを発見し、アルを殺人容疑で逮捕します。
プロミシングヤングウーマンのキャスト、監督
キャスト
- カサンドラ・トーマス(キャシー)(医大を中退した女性):キャリー・マリガン
- ライアン・クーパー(同級生の小児科医):ボー・バーナム
- マディソン・マクフィー(同級生):アリソン・ブリー
- アル・モンロー(同級生):クリス・ローウェル
監督
- エメラルド・フェネル
本作品が監督デビュー作品です。
プロミシングヤングウーマンの絵文字
最後、キャシーからテキストの絵文字が来ますが、これは「ウインク(winky emoticon)」を意味しています。
プロミシングヤングウーマンの感想
基本的には男性支配の社会で虐げられる女性の話ですが、一方でより普遍的な「被害者の物語」として見ることも可能です。
自分に危害を加えた人間が、現在は何事もなかったかのように幸せになっている姿を見て、怒りが込み上げてくる人も少なくないでしょう。
「(自分が)幸せになることが最大の復讐だ」とも言われますが、加害者が何ら処罰を与えられないのはやはり理不尽だと思います。
この映画は、そのような被害者が抱える怒りを見事にはらしてくれます。
もちろん、実際に実行はできませんから、これこそフィクションとしての映画が持つ役割なのかなと思いました。
プロミシングヤングウーマンはAmazonプライムビデオのレンタルで視聴できます(2022年4月現在)。