映画『アルゴ』は、イランで起きたアメリカ大使館人質事件を題材にした作品です。
CIAの秘密工作員は、映画『猿の惑星』からヒントを得て、架空のSF映画をでっち上げて大使館員をイランから脱出させようとします。
第85回アカデミー賞作品賞を受賞した作品です。なかなか面白かったのでおすすめです。
映画『アルゴ』のあらすじ
1979年11月4日、カーター大統領がイラン国王を米国に亡命させたことへの報復として、イランのイスラム教徒がテヘランの米国大使館を襲います。
大使館員66名が人質となりますが、6名は脱出し、カナダ大使の自宅に隠れます。アメリカ国務省は、彼らをイランから脱出させる方法を考えます。
そこに、CIAの専門家トニー・メンデスがやって来ます。彼は映画『猿の惑星』にヒントを得て、大使館員を脱出させるための偽装工作を始めます。それは、カナダの映画監督が、SF映画のためにイランで撮影場所を探しているというものです。
メンデスは、ハリウッドのメイクアップアーティストで、CIAに勤務していた経験を持つジョン・チェンバースに連絡を取ります。そして、チェンバースは、メンデスに映画プロデューサーのレスター・シーゲルを紹介します。
彼らは、偽の映画製作会社を設立して計画を公表し、『スター・ウォーズ』風の「サイエンス・ファンタジー・アドベンチャー」である『アルゴ』の撮影を計画しているという体裁を整え、信憑性を高めることに成功します。
一方、イランの革命家たちは、シュレッダーにかけられた写真から、大使館から脱出した人間がいることに気づきます。
メンデスは「アルゴ」のプロデューサーのふりをして、イランに入り、6人の脱走者と会います。メンデスは、彼らにカナダのパスポートと偽の身分証明書を渡します。
彼らはメンデスの計画に不安を感じながらも、協力します。
空港に着いた一行は、危険な状態に置かれます。航空券の予約はなかなか決まらず、空港の警備員は、偽の製作会社に確認のため電話をかけます。
一行はなんとか飛行機に乗り込み、飛行機は離陸しますが、空港にいた革命防衛隊が阻止しようと追いかけます。
テヘランに残っている人質を報復から守るために、この救出劇にアメリカが関与したことはすべて伏せられます。
大使のイラン人家政婦は、嘘をついて大使館員を守っていましたが、その後イラクに逃亡します。
メンデスはこの功績で勲章を授与されますが、ミッションの機密性のために、秘密裏にメダルを受け取り、その後、返却しなければなりませんでした。その後、1997年に機密が解除され、再び勲章を受け取りました。
映画『アルゴ』のキャスト、監督
キャスト
- トニー・メンデス(CIAの工作員) / ベン・アフレック
- ジャック・オドネル(メンデスの上司) / ブライアン・クランストン
- レスター・シーゲル(映画プロデューサー) / アラン・アーキン
監督
- ベン・アフレック
映画『アルゴ』の感想
作戦自体はとんとん拍子に進むので、少し物足りないような気もしました。
特に失敗したり、危険な目にあったりはありません。ハラハラドキドキするような展開もあるにはあるのですが、物足りなく感じられました。
「モデルになった人物はトニー・メンデス氏」
<BBCの記事>
この映画のモデルになったCIAの秘密工作員はトニー・メンデス(Tony Mendez)氏です。
この人物を映画ではベン・アフレックが演じています。実際の人物は中南米系の顔をしているので、映画とはイメージがだいぶ違うようです。
トニー・メンデス氏は1940年生まれです。現在は引退しています。
「大学でアートを専攻し、卒業後もアーティストとして活動」
また、興味深いことに、メンデス氏は大学ではアートを専攻し、卒業後もアーティストとして活動していたようです。企業でイラストや工具設計などの仕事していたようです。
また、メンデス氏がCIAで行った仕事もアートに関係したものが多かったようです。wikipediaによると、文書の偽造や偽物作りなどを行っていたようです。
このメンデス氏のクリエイティブな経歴から、偽の映画をでっち上げるというアイディアが生まれたのかもしれません。なかなか普通の人は思いつかないアイディアだと思います。
今なら『Amazonプライム・ビデオ』で見られます。
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